最後に

母が亡くなりました。家に帰りたいと言ったので、病院から連れて帰ったその日の夜のことでした。

お金の心配もなく、寝たきりもそれほど長くなく、本人と家族にとって、とても良い結果となりました。

貯金があったので、葬儀の費用の心配もなく、遠くから来た子や孫に旅費を渡すことができました。

お寺さんにも一般的なお布施をお渡しすることができました。

お二人の読者のために、この記事を書いています。

あと一週間したら、このブログ自体を削除しようと思います。

短い間でしたが、読んでいただき、ありがとうございました。

セカンド・オピニオンがおおごとに!

昨日書いたセカンド・オピニオンの話のつづき。

diarykaigo.hatenablog.com

どうやら父はほんとうに自分のかかりつけ医に行って、話をしてきたらしい。

かかりつけ医から母の病院に話が行って、私に確認の電話がかかってきた。

「治療方針は父が決めていいです」と言ったのだが、それだと一度退院する必要があるらしい。

それは困る。まだ介護認定が出ていない、というか認定調査員もまだ来ていない。申請を出してから、一ヶ月近くなるのに(国立病院などの入院があったので、仕方ないかとは思うが、それにしても...)、いっこうに進まない状況に腹が立って、思わず「介護保険を出さないために、死ぬまで待ってるんですかね?」と言ってしまった。

父のかかりつけ医は訪問診療はしてくれるが、入院はない。そうすると、必然的に自宅介護となるので、介護保険を使って訪問ケアをしてもらう必要がある。家族だけで介護は無理だ。

父はもうすぐ母が死ぬと思っているので、手厚いケアをしてほしいという要望だろう。「今の病院はほったらかし」と言う気持ちもわかる。だけど、ほかの病院に行ったところで、同じような対応だと思う。

そうすると、覚悟を決めて家族で介護をするしかないが、家族だけでは無理。介護認定が出るまで待つしかないと思うのだが...。

父は「お金はかかってもいい」と言うが、自費で訪問型サービスって受けられるんだろうか?

セカンド・オピニオン?

母が胃カメラを飲めなかったときの、近所の病院は父のかかりつけ医である。

胃カメラの話はこちら↓)

diarykaigo.hatenablog.com

母の病状は現在入院中の常勤の先生から説明を受けているのに、自分のかかりつけ医に国立病院の治療計画書を持っていて、話を聞きたいと言う。

少し前に父がかかりつけ医に行った時、先生から「奥さんはどうですか?」と尋ねてもらったのがキッカケのようだ。

父が病院に行くついでに、治療計画書を持って行って聞くのかと思えば、私にも一緒に行ってほしいと言う。

そうなると、ちょっと大事になりそうなので、「それはおかしい」と言って断った。

いわゆるセカンドオピニオンは、まず主治医との話し合いが必要なのに、それをすっ飛ばして他の医者の診断を仰ぐのは、無茶な話だ。

セカンド・オピニオン - Wikipedia

父はいま母が入院している病院に不信感を持っているようだ。

嘔吐は続く

先日のお見舞いでは、理学療法士さんの前で車椅子に座っていた。

車椅子に乗って座ること自体がリハビリだそうで、5分から10分ほど座る訓練をしているらしい。

理学療法士さんは優しそうな若い男性だった。

入院する前の母は絶対に会うことがない人だ。この理学療法士さんに出会ってリハビリをするだけでも、社会的つながりが一つ増えて、良かったのかもしれない。

相変わらず、嘔吐が一日に1回から2回もあるようで、病院から父に「肌着を持って来てください」と連絡があった。

家にはもう半袖の肌着がないので、とりあえず長袖を持って行くように父に頼んだ。

会社の帰りに半袖の肌着を2枚購入。マジックテープでとめるものがいいようだ。

病院で看護師さんに渡すと「旦那さんは違うのを持ってきてたみたいで、『やっぱりわからないねえ』と言ってましたよ」

家に帰って父に聞くと「パジャマを持っていったら、違うって言われた。今日は文句ばっかり言われた」と言う。「もとに戻りつつあるんじゃない」と笑って答える。

看護師さんによると、業者の洗濯だと、戻ってくるのに一週間もかかるらしい。もう少し肌着を補充してほしいということだったから、あと3枚は買おうと思う。

こんな支払いもクレジットカード?

国立病院に入院したとき、タオルなどはすべてレンタルだったが、その支払いの請求書が来た。

入院時の顛末はこちら

diarykaigo.hatenablog.com

およそ一週間の入院で、請求額は3,038円だった。

タオルや歯ブラシなど、入院に必要なものはすべて揃っていて、急遽入院が決まった母には有り難いサービスだった。

この請求書には二次元バーコードがついていて、クレジットカードでの支払いが可能と書いてあった。しかも、税金と違って、カード払いにしても手数料は無料とのこと。

「便利なものだな〜」と思い、バーコードからアクセスしたところ、患者名と番号、生年月日や電話番号を記入する必要があった。母の保険証で生年月日を確認し、携帯の番号を入れたものの...なぜか入れない!

家の電話番号を登録したのかも?と思って、別の電話番号を入れても、なぜか入れない...

結局のところ、コンビニで支払うことになった。

カード支払いだとポイントが付くのに...と思ったが、後の祭り。

入院時にどの電話番号を登録したか、ちゃんと覚えておけば良かった...

 

お金の話

A病院から洗濯代や病衣の費用の話があったときに、父から「預かったお金で払って」と頼まれた。母から年金が支給される通帳を預かっていて、そこには200万円の貯金があった。ほかの金融機関にも400万円の貯金があるらしい。その場では「わかった」と言ったものの、よくよく考えると、母もいつまで生きるかわからない。

もし、このまま寝たきりで施設に入るようになったら、と考えると、母のわずかな年金は今後のためにとっておきたいと思った。このあたりでは、施設利用料の中央値は15万円もするらしい。母はずっと専業主婦だったので、年金は月におよそ5万円しかない。

15万円-5万円=10万円

一ヶ月に不足するお金は10万円!

2019年の厚生労働省のデータによると、寝たきり期間の平均は12年もあるという。

「寝たきり」とは?原因は?寝たきり老人にならないためには?医師が徹底解説! |MEDU

10万円×12ヶ月×12年=1440万円

1440万円-600万円=840万円

計算上ではどうやら840万円も不足するようだ。

実際の生死はだれにもわからないが、「万一」を考えると、やはり母のお金には手をつけないほうがよいと思った。

それを父に話すと「自分が生きている間は払う」

「じゃあ、もし先に死んだら?」

「そのときは生活保護でも受けてもらうしかないな」

父は現在一ヶ月に23万円の年金がある。仮に父が寝たきりで施設に入っても、お釣りがくる計算なのだ。おまけに残りの財産も母と同じくらいにあるらしい。

父が生きている間、年金の一部を母のために使ってもいいんじゃないか?自分一人で23万円を全部使いきるつもりなのか?

腹が立つ!

 

医療保険と介護保険

A病院で説明を受けるなかで、「入院できるのは60日と決まっているんです。これはここの病院が決めたことじゃなくて、国が決めたことなんです。でも、うちの病院は3階が介護医療院になっています」という説明があった。

”病院は二ヶ月で追い出される”というのは、このカラクリがあるようだ。

介護医療院は医療が必要な患者(高齢者)が入院できる病院らしい。

介護医療院とは | 介護医療院公式サイト

介護認定がA病院で受けられるのは、介護医療院を併設しているからだろう。

主治医が病名や今後の方針などを説明したあと、「あとは看護師さんと相談して」と言われたので(あとは自分はノータッチのような冷たい表現にも聞こえたが)、介護保険のことを聞くと、入院してすぐには認定調査員は来ないらしい。そして、介護認定が降りるには、調査員の聞き取り後、一ヶ月はかかるとのこと。

夫曰く「なんやかんやで、介護認定が降りるのは二ヶ月近くかかるってことだ。要するに、医療保険で入院できる60日が過ぎないと、介護認定はされない。60日の間に家で介護したくても、介護サービスは受けられないってことだ。全然、高齢者に寄り添ってないな」と怒り心頭だった。

国立病院を退院しての一週間...たったの一週間だったが、父も私も夫も、その大変さは骨身に沁みてわかった。家族以外の手を借りなければ、とてもじゃないが、母の介護は無理だ。

なぜ、介護認定にこれほどの時間がかかるのか、夫が言う理由以外にあるのなら、どうか教えてほしい。